「もっと良くなる」ことを誰もが願う。病が癒え、関係が修復し、社会が平和になり、状況が改善すること。しかしこの言葉は、時に焦りや苛立ちを募らせ、 “もっと良くならなければ”“まだ足りない”と、自分や他者を責めてしまうこともある。人間は不足感や満たされていない状態にあると、常に何かで埋め合わせを求めようとする。求めるものによっては、逆に悪化することもあり得る。しかし神は、必ずしも状況の改善や成功を約束されない。むしろ「聖霊」を求める者に与えると約束される。日本の伝統工芸に「金継ぎ」がある。割れた器を金でつなぐ技術は国宝の作品さえ生み出す。欠けやヒビ割れがあっても、修復された跡が美しく光り、元の器よりも価値が高くなる。聖霊の働きにも似ている。神の愛は欠けた人間を新しい美しさで包む。壊れた人生も愛で継ぎ合わせてくださるのだ。ここに「もっと良くなる希望」がある。それは、傷が消えることではなく、神の愛で包まれることなのだ。聖霊で満たされ、神の働きに人生をゆだねよう。
(2025.10.26)
