「そのトゲ、とれますか?:コリントの信徒への手紙第一15章55−58節

のトゲが足に刺さってしまったTちゃん。どうしても取れず、医者に取ってもらった。「君を苦しめていたのはこれだよ。持って帰る?」即座に何度も首を横に振る彼女。トゲは時に人に苦痛をもたらす総称でもある。▼淀川キリスト教病院のチャプレン藤井理恵さんの記事が朝日新聞に連載中だ。彼女は病院付き牧師として、死の恐怖に怯える患者の「たましいの痛み」に向き合う。必要に応じ「聖書にはこう書いてあって、私はこんなふうに信じている」と伝える。「あなたの存在はなくならない」「死を超えた命がある」その言葉を聞く中で死と向き合えなかった患者が、極限状態の壁に小さな穴が開いて一気に別の世界に入っていくように、劇的に変わる様子が綴られていた。▼「死のトゲは罪である」とパウロは言う。罪は、自ら抜けぬトゲとして生れながら人間の中心に突き刺さっている。われらを苦しめる根源、「死のトゲ」は神に取り去っていただく他ない。イエス・キリストは罪を取り除くために十字架に死なれ、復活によって死に勝利された。彼によって死のトゲは取り去られたのだ。<2019/9/1「先週の説教より」