『救いの光が差し込む時』:ヨハネによる福音書12章46−47節

城清治さん(95)は、現役の世界的影絵作家である。人間の生き様、人生そのものを「光と影」をモチーフに描き、作品からは生きる喜びや愛が伝わってくる。まさに祈りの芸術だ。彼は学生時代、教会で影絵劇をしたことがきっかけで牧師の叔父に励まされ、この世界に入ったそうである。▼「世」を救うために「光」として来たイエス。光が差し込むと影が露わになる。眩しさに比例して影は濃くなる。人間の一生には「光」と「闇()」が混在する。どの部分が光で闇なのか?私たちは神によって照らされてはじめて気づくのかも知れない。しかし、神は「世」を裁くためではなく、救うためにこそ照らされる。漢字の「世」は「十」を三つ合わせた形から、従来は「家長が家を治める期間」(三十年)、「人の一生」を表す会意文字として成り立った。福音書が示す「世」と重ね合わせるなら、私たちの「一生」、そのすべてを愛される神がおられる。イエス•キリストの一生、ゴルゴダの丘に立てられた三本の真ん中にある主の十字架と重ねると、そこには神の愛、恵みの光が差し込んでくる。。(2019.10.13礼拝説教より)