『受け入れる事を恐れずに』:マタイによる福音書1章18—23節

「聖霊によって身ごもった」というマリア。常識的にありえず受け入れ難い出来事である。婚約者のヨセフにとっては悶々と懊悩が続く。一人苦悩するヨセフに示されているのは「インマヌエル〜神はわれらと共にいる」という言葉であった。ミクロ的には「そんな事はありえない」という出来事であるが、マクロ的には救い主が生まれ、多くの者が救われてゆく活路となった。神が共におられたからである。こうしてヨセフはマリアと共に神の救済の計画の一翼を担って行く。先日、骨髄バンクからの通知が手元に届いた。ある患者との私のHLA型が適合し、ドナー候補者となったのだ。覚悟の上で登録したものの、実際に受け取ると正直不安にもなる。だが、もしこれで誰かの命が繋がるかも知れないと思うと少し気持ちが変えられる。たとえ受け入れ難い出来事を前にしても、インマヌエルの約束が示されている。この約束は神に信じてすべてを委ねるその先には、予想もしなかった神の救いと希望の計画が用意されている事に心が向く。今はわからず、見えないとしても、包装紙にくるまれた贈物のように神の愛と恵みが詰まっている、そう信じて歩みたい。(2020.12.13)