『だいじょうぶだぁ』:マルコによる福音書6章7−13節

昨年コロナに倒れた志村ケンさんの訃報は、多くの人に衝撃と悲しみを与えた。同タイトルの人気番組では彼の扮する“変なおじさん”が登場し、見る者に笑いを残した。その風貌は確かにマトモではなく明らかに変なのだが、こんな人も生かされている、だから「だいじょうぶだぁ」というメッセージにも受け取れる。新しい年を歩み始めたものの、2021年はだいじょうぶだろうか?かつてイエスは弟子たちを宣教の旅へと派遣されるにあたり、1本の杖の他は何も持たせず、食料も着替えも金銭さえも持たせず送り出された。旅先では何が起こるかわからない。弟子たちにとって心配事は尽きない。手中にあるのは杖。それに一切を託すように<神に信頼して>生きるより他ない。だが、このような無力さや乏しさにこそ神の力が及ぶ事を知らされる。コロナの猛威は止まらず、周囲では人々の恐怖心を煽るような情報が蔓延し、虚偽情報も混在する。先への予想が困難で世界が激変するこの時代。人間の「だいじょうぶ」さは虚しく響き、不確実性を増す。いったい何に信頼して歩むのかが決定的な影響を及ぼす。われらは、すべてが移り変わる激動の時代にあっても、主イエスの言葉は変わらず、その価値を失う事はない、という信頼の杖を持つことを許され、世に派遣されている。主にある使命を果たすための必要は、神が備えておられる。ゆえに表題を天声として歩もう。(2021.1.10)