『大自然が伝える神の言葉〜ガリレオの聖書解釈』:詩編19編1−5節

「自然は第二の聖書」と説く「スコラ学(School「学校」と同じ語源)」を継承していたガリレオ・ガリレイ。彼は、自然界の諸現象が「数学」の言葉で書かれていると想定し、神の作品である壮大な宇宙、この書物にある真理を数学的法則で解釈するという近代科学の方法論を確立した。聖書を読むにはラテン語を学ばねばならない時代、彼は聖書と自然は共に神の言葉に由来すると尊びつつも、聖書を字義通りに解釈する立場から生じた当時の教義(天動説)を鵜呑みにできず、観察、実験を通して検証を重ね、仮説を立証するという「信仰」と「理性」の観点から神の偉大さを伝えた・・・。

 

 現代で起こる様々な事象、手に負えないような諸問題が連続する時には「考える事(理性)」を放棄したくなる。言語化できない苦悩は、われらを思考停止へと誘う。心が弱ると何でも無批判に受け入れてしまい、占いやカルト的極端な教義であっても「おかしい」とか「変だ」と考える余裕も奪われるほど洗脳されてしまう事例が現にある。自然や周囲の出来事は偶然で意味のない類ではなく、聖書では「神の言葉」と同義だ。天は神の栄光を物語り、大自然が数学的な言語で書かれている神の言葉であるとするならば、われらの眼前にある困難、試練、患難さえも「神の愛」を物語る恵みの言語として記され、われらに希望を伝えているはずである。(2022.7.31)

2022/7/31(日)礼拝講壇生花 by ISHIMARU