『きりかぶのともだち(絵本)』コヘレトの言葉4章9-12節

「きりかぶのともだち」(作:なかやみか)という絵本がある。喧嘩ばかりでもやっぱり誰かが側にいてくれた方がよいのかな?と考えさせてくれる。「友」はいつも親しく関わる相手。常に仲が良く気が合う関係とは限らない・・・。悩み労苦する相手でも共存することで自分を助け起こす存在となり得る。鰯は天敵から身を守るように群れをなして泳ぐ。時に「イワシトルネード」と呼ばれる姿を形作り、鱗を煌めかせながら自由自在に俊敏に美しく回遊する。ある水族館に異変が起こった。群れから離脱してダラダラと泳ぎだす鰯が目立つようになり、人々を魅了し脚光を浴びていたイワシトルネードが崩壊の危機にあったのだ。飼育員が天敵のクロマグロを投入すると鰯は覚醒したのか、本来の一糸乱れぬ回遊魚としての生態系を取り戻し、再び来館者らの歓声を呼んだという。一緒にいたいと思いわない存在、自分を悩ます相手との共存が本来の生き方や使命を取り戻すことがある。神は真実なお方であるから耐えられない試練は与えない。反目し合う友がいても、もう一人、「真実な友」主イエスが一緒におられる。三よりの糸は切れにくい。教会という群れは、祈りの鱗を煌めかせながら本来の使命に生かされていく。(2022/11/13)


2022/11/13(日)礼拝講壇生花 by ISHIMARU