『終わりと始まり』:ルカによる福音書2章10−12節

短日極まる冬至。冬が終わり春の始まりを告げる節目を迎えた。救い主の誕生を告知する天使は、「恐れ」を終わらせ、「喜び」の始まりを告げる(ルカ2:10)。かたや新しい王の誕生に不安を抱いたヘロデ王は、メシアの登場を阻止しようと2歳以下の幼児虐殺という暴挙を振るう。ベツレヘムに響く天使の言葉が空疎に思える。しかし、恐れの闇を深くする悪政のもとでも、神は「思い上がる者を打ち散らし、権力のある者をその座から引き下ろされ、低き者を高められる」(ルカ1:52)。権力者の暴政はいつかそれ自体に破滅をもたらす。ヘロデ王の道は閉ざされ、救い主イエスは平和の君として公生涯へと向かわれる。第二次世界大戦中、ボンフェッファーはヒトラーを倒す抵抗運動に失敗し絞首刑となった。「これが私の終わりである。しかし、主にあっては新たな始まりである」との言葉を残して・・・。2022年は歴史的転換期に突入した。一度始まると止める事が困難な戦争。正義と真実が踏みにじられている現実が今もある。主イエスはいつの時代にあっても「剣(武器)を取る者は剣(武器)で滅びる」と平和を望んでおられる。われらは終わりと始まりの間にあって今何を選び取るべきか問われる。独裁者の暴力が支配する暗黒の時代にあっても、救い主のもとでは常に新しい希望が始まっていると信じたい。(2022.12.25)


2022/12/25(日)礼拝講壇生花 by ISHIMARU