『心機一転、新たな恵みへ』:詩編51編・詩編23編(2023.1.1)

「門松や 冥土の旅の一里塚 目出度くもあり 目出度くもなし(正月の飾り付けの度に死が近づく。浮かれてばかりいられない)」と一休は句を詠んだ。年末の「徹子の部屋」に出演したタモリさん。どんな年になるか?との問いに「新しい戦前になるのでは・・」と答えて話題となった。防衛費増額、敵基地攻撃能力など戦争に近づくかもしれない年への危機感に呼応するかのようだ。初詣や縁起物を求めて伝統行事に勤しむ人々・・。新年は誰もが幸せを願う。詩編51編の詩人は、儀式が人を幸せにするわけではない、と気付いた一人だ。詩人は形式ではなく、内実の伴った真心をもって神への背きに対する罪の深い自覚と向き合いつつ、赦しを求めて祈りをささげ、心機一転、再出発へと向かう。2023年の始まり。われらは、天から降って来られた主イエス・キリストを迎え、恵みの門を通る。十字架によって差し出されている赦しを受け取って心機一転、新たな一歩を踏み出す。主は良き羊飼いとして今年も共におられる。たとえ死の陰の谷を歩む時も災いを恐れない。命ある限り恵みと慈しみが後を追ってくる(詩23)。われらは常に<新しい恵みの前>を生かされるのだ。(2023.1.1)

 


2023/1/1(日)新年礼拝講壇生花 by ISHIMARU