『新しい絆のもとで』マルコによる福音書3章31−35節

テニス全米オープン覇者となった大坂なおみ選手。人種差別へ抗議マスクでも話題となったが、彼女自身もハイチ系アメリカ人の父親と日本人の母親をもつ。9/19は混血児のためにエリザベツ・サンダーズホームを設立したキリスト者、澤田美喜(1901-1980)の生誕日である。敗戦後の混乱期、彼女は混血児が遺棄されている現状を目の当たりにし、1948年に孤児院を設立。日米両国から迫害を受けながらも戦争犠牲者の命を救うべく献身し、2000人以上の戦争混血児の母と呼ばれた。今でこそ「赤ちゃんポスト」などの制度があるが、70年以上も前に彼女は、祈りと共に大家族を養い育てたのだ。財産相続ともなれば骨肉の争いになる現実もあれば、血縁ではなくても強い絆で結ばれる関係もある。主イエスは、ご自分のそばに座っている人々を見回し、「見なさい。ここにわたしの母、兄弟がいる。神の御心を行う人こそ、わたしの兄弟、姉妹、また母なのだ」(マルコ3章34節)と言われた。主イエスは、ご自分を求めて共にいる人たちを誰よりも大事にされ、主イエスのそばにいようとする者を「あなたはわたしの家族だ」と招いてくださるのだ。主は共にいるひとり一人にご自身の命まで差し出して差別することなく愛し、神の御心を行われる。われらも教会を通してこの主イエスのそばに置かれ、神を父と呼ぶほどに新しく強い絆、永遠に至る愛に生かされている。(2020.9.13 )