『もはや戦うことを学ばない』ミカ書4章1-3節 —12月世界バプテスト祈祷週間—

紀元前8世紀頃活躍した預言者ミカは、農村を基盤として庶民の立場から正義を求めた。都会の支配層の暴政を糾弾しつつ、戦乱が絶えなかった時代に「平和」という終末的希望を伝えた。中村哲さんが銃弾に倒れてから丸2年。今は武装したタリバン政権の姿に、平和への夢は暗雲に覆われる。銃ではなく農機具を持ち、大干ばつと戦争によって荒れ果てた大地の緑化を夢見た中村さん。人道支援にささげたその生涯は決して無に帰される事なく語り継がれるだろう。現在、世界の年間穀物生産総量は約27億9300万トン。これは世界人口の約2倍分の食料に匹敵するという。しかし今日の世界における死因の1位は「飢餓」。WFP等国連機関の発表によると世界では約10人に1人(7億6800万人<2020年>が食べ物に困窮している現状。「パンデミックは食料システムの弱点を露呈し、世界の人々の命や暮らしを脅かしている」と国連も預言者ミカのように困窮者の現状から正義を求めている。世界は分かち合えば皆、十分足りるはずなのであるが、力ある者、強い国の「もっと欲しい」という貪欲が貧富の差を生み出していると言っても過言ではない。戦いは共生力の欠如でもある。たった1%の人が世界の富の82%を所有していると言われる現代。独占があるところでは争いがあり戦いがある。分かち合うところでは共に命が生かされ、「平和」がつくりだされる道が開かれる。ミカは平和の君、救い主がベツレヘムから出ると預言。主イエス・キリストのもとでは、誰も乏しい事なく満ち足りる平和が実現していた(マルコ8:19)。願わくは世界に、この平和のみ国を来らせたまえ。(2021.12.5)