『種を蒔く人のたとえ』マルコによる福音書4章1−20節

敬老の日を迎えた。世界最長年齢(2020.9月現在)は、福岡市在住の田中力子さん(117)。ライト兄弟が人類初の有人飛行を達成した年に誕生、長寿のギネス記録保持者である。彼女は戦後1957年に洗礼(バプテスマ)を受けておられるが、われらと同じ群れ(日本バプテスト連盟)の教会員との事だ。5人のお孫さんとひ孫が8人、命のつながりに畏敬の念を抱く。主イエスが語られた「種を蒔く人のたとえ」。種は「命」を持っている。一つの種が納屋の隅に飛んで芽生え、水も肥料も与えられず人から見捨てられたように放置されていても、まともな畑に植えられた株より逞しく育つ事がある。団栗でも、誰も地を耕さずとも勝手に木になっていく。まったく肥料のない火山灰に種を蒔いても木は育つ。「種」自体に「命」があるからだ。「種を蒔く人」は、どんな場所にも命ある種を蒔き続ける。道端、石だらけの地、いばらの地、どんな地であろうと命の種は平等に蒔かれる。主イエスは「種を蒔く人」のようだ。人がどんな土地(心)の状態であれ、聞く人に恵みをもたらす命の言葉を語り続けておられる。聞いて受け入れる者は良い土地となって必ず肥大な実を結ぶという約束を示し、「聞く耳のある者は聞きなさい」と繰り返しわれらを招く。神の言葉は死なず、跳ね返されようと、忘れられようと必ず生きるのだ。神の言葉には真の命があり、どんな時にも望みを与え、信じる者を救う力がある。2020.9.27