『復活の波動』マルコによる福音書16章9—20節

水面上に投じられる一滴の雫は、うねるように同心円状に幾重の輪を描きながら波紋を広げる。われらの暮らしで起こる出来事もまた、波動的に周囲へと影響を及ぼして行く。負の連鎖は、憎しみや争いの波に乗って多くの命の渦に巻き込んでしまう。戦争がさらなる戦争へとつなげられる。しかし対照的な福音の知らせは、われらに命と希望をもたらすためにさらに今も力強く波及する。「復活」という信じられない出来事をマルコ記者は多くを語らず、一雫に止めるような結びとする(8節完結)。だが、その小さくとも衝撃的な知らせが、時代という波のうねりの中で後にマタイ、ルカ、ヨハネによる福音書の執筆へとつながった。本書の「結び一」「結び二」も然りなのだろう。最初の福音書「マルコ」の本来の結びが、主イエスの復活を伝える雫となって次々と波及的に書き記され、世界中に新しい言葉として福音が伝えられる呼び水となったのだ。今を生きるわれらも「復活」という希望のうねりと波状に背負われ、どのような試練も苦境も乗り越えることができる。そう信じて歩み続けたいものだ、われらは今も復活の波動の中に生かされている。復活の波動は希望の連鎖を呼び起す。そして復活の波動はわれらを主イエスと共に復活の命へとつなげるのである。

2022.2.27(日)礼拝堂講壇生花 by ISHIMARU