『生老病死と希望』ローマの信徒への手紙8章18−25節

生老病死とは、われらが生きる限り避けられない根源的な苦悩を意味するという。人生は思い通りにはならず大半は苦悩の連続だ。登山でいえば一山越えるとまたその先に山が見え、それを越えるとまた次のいくつかの険しい山々が続いているかに思える。使徒パウロも現にある「苦しみ」から語りはじめる。しかし、心にあるうめきや苦悩を受け入れつつも同時に「希望」を語っている。105歳まで生きた日野原重明医師は、著作や講演の中で老いても自分の時間(いのち)を誰とどう使うかを問い掛けつつ、小さなものであってもビジョンや希望を抱いて生きる秘訣を語っておられた。エリザベス女王の国葬(9/19)では女王の愛唱歌であった詩編23編の讃美歌が歌われ、トラス首相によってキリストの言葉(ヨハネ14:1-9)が朗読された。大司教の言葉や祈りはローマ書8:35,38の言葉が引用されるなど、希望の言葉にあふれた礼拝であった。避けられない苦悩はあるが、神の愛や希望もわれらを避ける事はない。(2022/9/25)

2022/9/25(日)礼拝講壇生花 by ISHIMARU