『よく生きる』:コリントの信徒への手紙第一8章1節

Spring(春)の語源は古い英語で「光が見え始める」という意味があるそうだ。列車が大きなカーブに差し掛かる時、車窓からは各車両が弧を描きながら先頭に連なっている光景が見え始める。まっすぐに走っている時は見えなかった風景だ。「冬」が去り、「春」が到来した。われらの向かう先に見え始める希望を見出したい。「知識は人を高ぶらせるが、愛は人を造り上げる」という。使徒パウロは、律法に精通していただけではなく、ソクラテスをはじめギリシア哲学の知識も深かった事だろう。しかし彼は、自己実現をしながらも、低き視座に立ち、弱さに寄り添って共に生きようとする態度を伝えている。ここに「よく生きる」姿が見えて来るようだ。ただ生きるとき、われらは自分しか見えない。よく生きるとき、われらは自分とは異なる立場や価値観を持つ人と出会いながらも、皆、同じ希望に連なる車両に乗っていることを知らされる。復活の主イエスはわれらに先立ち、よく生きるために信・望・愛に招く。主イエスに連なっている時、われらは常に「春」のような光を見出し、そこで新たな恵みが芽吹くのだ。(2023.4.16)


2023,4,16(日)礼拝講壇生花 by ISHIMARU