沖縄では78年前、約4人に1人の命が戦争によって奪われた。軍人同士だけではなく、一般住民や青少年たちも殺し合いに巻き込まれた戦慄の地上戦。米国側でさえ「ありったけの地獄を集めた戦場」と呼んだ・・。約3ヶ月に及ぶ組織的戦いの終結日が6/23。戦時中は軍の命令は絶対で誰も逆らえない。兵士や政府は逃げ場を失った住民の命を守らず、支給したのは自決目的の手榴弾。住民は他の選択肢を許されなかった・・・。今も遺骨が埋まっている戦地の土が、住民の反対を押し切って進められている辺野古基地の造成に使用され、南西諸島には次々とミサイル基地が配備される。沖縄は今も戦場にされているのだ。絵本「もっと大きなたいほうを」(二見正直 作)を、子どもたちだけではなく、世界中の指導者にも見てもらいたい。軍備を増強すれば、相手も増強し、果てしなくエスカレートする。軍事力を強化すれば、国民が苦しむのは歴史の常だ。ヤコブ書は、戦争の原因が「欲望」にあると説く。為政者や権力者が欲望のまま利権に向かう時、国民の命は深刻な危機に晒される。われらは「もっと大きなミサイル」ではなく、「もっとも小さくされている声」を訊く道に招かれている。欲望渦巻く巨大権力のもとで声をかき消されている人々の小さき声に心を開くこと。沖縄や戦争体験者の声を訊くことこそ、予算不要の防衛力であり、戦争への真の抑止力に繫がるはずだ。(2023.6.18)
2023.6.18(日)礼拝講壇生花 by ISHIMARU