
教皇フランシスコ(ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ)の葬儀は約25万人が参列。アルゼンチン出身の彼は特に弱くされた人々に目を向けていた。貧困者に寄り添い、自らも質素な暮らしを貫きつつ世界に出向いて平和を訴え、来日した際には東北、長崎、広島を訪れ核の廃絶を訴えた。彼は幼少期から肺の病気により数年間入院生活をしている。健康な人をねたみ、神に対しても怒りを覚える日々。辛そうに呼吸をする彼を見舞った修道女が声を掛けた。「あなたはキリストと同じ息遣いですね」。この言葉が彼を変えたという。2013年に第266代教皇に選出され「キリストの代理者」としての使命を担った。主イエスは弟子たちを村々へと派遣するにあたり「何も持たずに行きなさい」と言われる。地位も金も所有していない弟子たちを受け入れたのは誰だろう?おそらく権力者などは戸惑う。喜んで迎えるのは貧しい人や孤独な人、助けや支えを必要とする病人たちであろう。主イエス自身、そのような人々と出会う旅を続けられた。5月には次の教皇が選出される。理想的な教皇は?ある枢機卿によれば「平和のために尽力し、弱い者に寄り添い、誠実に統治できる人」だという。次期教皇によって喜ぶ人、戸惑う人もいるだろう。プロテスタントでは教皇制度はない。だがキリスト者全員が「キリストの代理者」として世に遣わされている。個人的能力や所有物が重要なのではない。ありのままで「キリストを着る」(ロマ13:14)という誠実さが鍵だ。(2025.4.27)