
GW明け。出勤や登校へのハードルが高く思える時期だ。毎朝子どもを学校に送り出す事に難儀している親は少なくない。文部科学省の発表によると不登校の小中学生は34万人を超えている。学校に行かない子どもの将来を案じる親もいるだろう。魚類学者でタレントの「さかなクン」の母親は、息子の担任から注意された事があったという。「このままでは将来困るのはお子さんなのですよ」と。しかし母親は「そのままでいいのです」と息子を受容し続けたという。もし周囲と異なる子どもの個別性を否定していたら、彼の才能は埋もれていたかもしれない・・。イエスは「自分を何者だと思うか」と弟子たちに問うた。「あなたは神からのメシア」と答えるペトロ。しかし弟子たちはイエスご自身をありのままを受け入れていたのでなく、自分の理想をイエスに押し付けていた可能性がある。事実、弟子たちはイエスの言葉や行動を理解できずに、後に彼を否定し見捨ててしまう。「メシア(油注がれた者)」とは、本来「王」として選ばれた者であるという事だ。つまり自分の支配者という意味を含む。われらは自分の都合や目的達成の手段として子どもや他人を、あるいは神さえも自分の思い通りに利用しようとしてしまうことさえある。イエスは自分が従うべきお方、イエスは主であるとありのまま受け入れる道にこそ、救いがある。(2025.5.11-母の日-)